アマチュア(同人)ミュージシャンのみなさんがCDをリリースする場合、プレス業者に発注するのが一般的かと思います。
しかし、海外で製造されるプレスCDは納期が2週間程度必要なことがほとんどです。短納期のコピーであっても、完パケだと4営業日くらいでしょうか。「イベント直前になって作りたくなったけど、今からじゃもう間に合わない!」という経験は、きっと私だけではないはず。
こんなとき我々がとれる選択肢は、自宅のパソコンやプリンタを使って作る「手焼きCD」に限られます。とはいえ、あまりにも低品質なものを売り物として並べるのも気が引けます。
この記事では、手焼きCDのクオリティを少しでも上げる方法のひとつとして、コンビニのマルチコピー機を利用してCDジャケットを印刷する方法をご紹介します。
DVD/Blu-rayジャケットの印刷方法はコチラ!
インクジェット VS レーザー
通常の手焼きCDでは、家庭用インクジェットプリンターを使って下記のような専用の用紙にジャケットを印刷します。
しかし、インクジェットプリンターは手軽な半面、主に業務用に用いられるレーザープリンターと比較すると印刷品質は落ちます。
レーザープリンターは購入するとなると高額ですが、身近にあるコンビニのマルチコピー機を使えば、最安で1枚10円(モノクロ)から印刷することが可能です。ジャケットの場合はカラー印刷の場合がほとんどかと思いますが、それでも1枚50円ですから専用用紙を買うより安く済みます。
また、そもそも自宅にプリンターがないという方もいるかも知れません。そういった方にもこの方法は適しています。
紙が薄すぎる問題
コンビニのマルチコピー機は高品質な印刷が可能である一方、ジャケットとして使用する場合にはデメリットも存在します。それは、紙が薄すぎるという点。
一般的なCDには135kgのコート紙が使れます。kgとは紙の厚みを示す単位で、大きいほど厚く小さいほど薄いという意味です。マルチコピー機にセットされている紙は普通のコピー用紙(70kg前後)なので、半分程度の厚みしかありません。
紙を入れ替えるわけにもいきませんので、苦肉の策として、半分に折って使用することでこの問題を回避します。内側に折りたたまれる部分は白紙です。4Pジャケットを2Pジャケットとして使うイメージ。
CDジャケットのデータを作る
今回作るのは、一般的なジュエルケース(スリムケース)に収まる12cm角のジャケットです。シングルCDを想定し、ジャケットになる右側にはイラストやCDタイトルなどを、左側には1~2曲分の歌詞を、いい感じに配置します。
- サンプルデータ(PNG形式/2.96MB)
今回作るジャケットの仕上がりサイズは、ヨコ240×タテ120mmです。これを印刷品質(300dpi)に換算すると2835×1417pxになりますので、このキャンバスサイズでジャケットデータを制作し、PNGで保存します。
寸法(mm) | 300dpi(px) | |
B5 | 182×257 | 2150×3035 |
A4 | 210×297 | 2480×3508 |
B4 | 257×364 | 3035×4299 |
A3 | 297×420 | 3508×4961 |
- サンプルデータ(PNG形式/4.27MB)
つづいて、新規ファイルでA3サイズ(4961×3508px)のキャンバスを作ります。「ファイルから貼り付け」を選択し、さきほど保存したジャケットデータを3つ並べ、PNGで保存します。
1枚だけでいい場合は、新規ファイルでA4サイズ(3508×2480px)のキャンバスを作り、ジャケットデータを1つだけ配置し、PNGで保存します。
普通紙プリントの料金
- 白黒(全サイズ):1枚 10円
- カラー(B5/A4/B4):1枚 50円
- カラー(A3):1枚 80円
CDジャケットをコンビニで印刷する
保存したデータをUSBメモリなどに記録し、それを持ってコンビニへ行きます。印刷は必ず原寸で行うようご注意ください。
当サイトでは、発色の良い富士ゼロックス製のマルチコピー機を導入しているセブンイレブンでの印刷を推奨しています。
詳細な操作方法等は以下の記事を参考に!
印刷後カッターで必要な部分を切り出し、二つ折りにします。最後に、ジュエルケース(スリムケース)にCDとともにセットし、OPP袋などで包装すれば手焼きCDの完成です!
【追記】ローソン/ファミマの「ましかくプリント」
【追記:24/01/05】ローソン・ファミリーマートに設置されているマルチコピー機では、正方形(127×127mm)の写真用紙に印刷できる「ましかくプリント」が可能です。本日ファミリーマートで実際に検証してきました。
CDジャケットより一回り大きいサイズであるため、ケースに収めるためには周囲を3mm程度カットして小さくする必要はありますが、写真用紙は分厚く発色も良いので見栄えは文句ない仕上がりでした。
用意したデータは1500×1500pxのPNG。マルチコピー機の操作は写真プリント→写真用紙→ましかくプリント→スクエアと進み、フチの選択画面で「ふちあり(小)」を選んだところ、上記のようなちょうどいいサイズになりました。
まとめ
コンビニでCDジャケットを印刷する方法についての解説記事でした。
ただ、これはあくまで時間がないとき用の措置です。基本的にはプレス業者や格安印刷業者へ発注することをオススメします。多少割高にはなりますが当日発送にも対応しています。