グラフィックボード(通称グラボ)とは、パソコンの映像出力機能に特化したPCパーツ。高いグラフィック性能が要求される3Dゲームを快適にプレイしたいゲーマーや、4K・CG素材を扱う動画クリエイターなどにとっては必須のパーツです。
では、DTMにグラフィックボード(グラボ)は必要なのでしょうか?
今回は、この疑問に対して私なりの見解を述べたいと思います!
グラボがなくてもいい3つの理由
理由① CPUの内臓グラフィックで十分
結論から言えば、グラボはなくてもDTMはできます。
なぜなら、ほとんどのCPUには「GPU」と呼ばれるグラフィック処理プロセッサが搭載されており、グラボを増設せずとも問題なく映像を出力できるからです。しかも、その能力は年々進化を続けており、基本的にはこれで十分なのです。
理由② 大した負荷ではない
VSTプラグインやソフト音源の中には、リアルタイムに目まぐるしく変化するアナライザーが搭載されたEQやコンプなど、GPUに負荷をかけるものはたしかに存在します。
とはいえ、それらを同時に大量表示でもしない限りその負荷は知れています。よって、一般的な編成の曲であればグラボが必要になるようなことは基本ないと考えます。
理由③ 他の機材にお金をかけよう
世界的な半導体不足やコロナ禍による巣ごもり需要などもあり、近年グラボの価格は高騰しています。中には、1万円を切る破格の製品もありますが、これらの性能はCPU内臓グラフィックに満たないこともあり、そうなると導入するメリットがありません。ちゃんとした製品を買うなら2~3万円程度は見ておくべきでしょう。
ただ、現在不便なくDTMができているのであれば、その予算をソフト音源やプラグインなど、楽曲のクオリティに直結する機材に回した方が費用対効果は高いと考えます。
DTMでグラボを使う3つのメリット!
ここまで、グラボがなくても問題なくDTMができる理由を3つの項目に分けて説明しました。
とはいえ、グラボがあった方がいいケースも少なからず存在します。ここからは、DTMでグラボを使うメリットについて考えてみましょう!
① CPUへの負荷が減る
グラフィック処理をグラボに任せることで、CPUへの負荷を減らすことができます。これにより、熱に弱いパーツであるCPUの温度が下がり、結果的にシステム全体のパフォーマンス向上が期待できます。
ただ、グラボはグラボで熱を発します。その分消費電力は増加しますので、わずかながら電気代が増える可能性があることも頭に入れておいた方がいいかもしれません。
② 画面(モニター)がたくさん使える
マザーボードの映像出力端子は2つというパターンが多く、それ以上の出力ができません。グラボを導入することで映像出力端子が増え、最大4画面まで出力できるようになります。
画像は私の制作環境です。一見2画面のようですが、もうひとつ32インチのモニターがあり、計3画面で作業しています。
③ 動画制作に有利
DTMerの多く(特にボカロP)は、YouTubeやニコニコなどの動画サイトをメインに活動していると思います。動画を自分で作っている方も少なくないでしょう。
グラボがあると、「Adobe After Effects」や「Premiere Pro」などの動画編集ソフトの動作が軽快になります。エンコード(書き出し)の時間も短縮されますし、動画制作を行うDTMerにとっては必須と感じます。
おすすめグラボ
最後に、DTMで使うとしたらどんなグラボが最適か考えてみましょう!
先述の通り、ローエンドモデルは買う意義がありません。かといって、10万円以上するようなハイエンドは(動画制作やゲームをしない方にとっては)オーバースペック。
私が考えるDTMグラボとして妥当なラインは、3万円前後で購入できる「GTX1650」です!(2022年3月)
注意点
グラボはマザーボードのPCIスロットに設置します。したがって、使えるのはデスクトップパソコンのみです。
下記のような外付けユニットを利用すればノートパソコンでも使えるようですが、そこまでして導入する意味はないかなと思います。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、DTMにグラボが必要かどうかについて考えてみました!
ぜひ参考にしてみてくださいm(__)m