いちばん簡単なDDPデータの作り方!作成ソフトは無料?Studio Oneを使う方法

一昔前まで同人CDの入稿といえば、マスターディスク(マスターCD)を業者へ郵送するメディア入稿が一般的でした。マスターディスクとはマスタリング済のWAVデータが記録されたCD-Rのことです。ただ、この入稿方式にはCD-Rへ書き込む過程での音質変化や焼きミスのほか、天候による配送遅延など、複数のリスクを抱えていました。

こういった問題点を一挙に解決することができるのが「DDP入稿」です。DDPとはDisc Description Protocolの略称で、専用のソフトウェアによって作成されたデジタル形式のマスターデータのことです。WEB上にアップロードしでやりとりすることが可能なので、書き込みトラブルの発生や納期の遅延を防ぐことができます。

DDPデータの作成には専門的な知識が必要とされていますが、実際はさほど難しいものではありません。この記事では、過去に何度もDDP入稿を行ってきた私の経験を踏まえ、エラーの出ないDDPデータの作り方についてくわしく解説したいと思います!

目次

DDP作成に必要なもの

「Studio One」でのマスタリング
  • ①WaveLabStudio One
  • ②マスタリング済のWAV
  • ③DDP Player

WaveLab / Steinberg

DDPデータの作成に対応したソフトウェアとして、まず「WaveLab」が挙げられます。日本で最もユーザーの多いDAWとして知られる「Cubase」の開発元であるSteinbergが販売しているマスタリング専用ソフトです。

「WaveLab」にはPro、Elements、Castと3種類のエディションがありますが、DDP作成可能なのは最上位版である「WaveLab Pro」のみです。定価は7万円近くする高価なソフトウェアですが、60日間の無償版が用意されています。

Studio One /Presonus

もう一つはPresonusのDAW「Studio One」です。動作が軽快かつ音も良いので、ここ数年私はこれをメインに制作を行っています。2024年10月「Studio One 7」にアップデートされて、エディションはPro1種類になりました(定価¥28,000)。

かつては「Studio One Prime」という無料版が存在したので、これを利用すれば無料でDDPデータを作成できましたが、現在ではこの方法は使えません。

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「Studio One」は打ち込み・ミックス・マスタリングすべてこなせる神DAWなので個人的にオススメ!

T-RackS / IK Multimedia

また、IK Multimediaのプラグインバンドル「T-RackS」でもDDP作成が可能なようです。無印、Pro、MAXと3種類のエディションがあり、最下位版の無印でも対応している模様。

定価は¥16,490ですが、頻繁にセールが行われているので、数千円で購入できる場合もあります。

マスタリング済WAV

マスタリング済WAVは16bit/44.1kHz ステレオで、ピークが0dBFS以下のものです。これはCD-Rに焼く場合とまったく同じです。同人CDのマスタリングについては以下の記事でくわしく解説していますので、ぜひご覧ください。

DDP Player / Steinberg

最終的に書き出したDDPが正しく再生されるかを確認するソフトです。こちらは無料で使用することができます。

Studio OneでのDDP作成方法

STEP
新規プロジェクト作成

「Studio One」を起動し、新規プロジェクトを作成します。名前は任意(半角英数で)、サンプルレートは44.1kHzでOK。

STEP
WAVを並べる

ドラッグアンドドロップでWAVを読み込ませます。事前にファイル名を01.wav~10.wavのように設定してあれば、上の画像のように自動で曲順に並びます。

STEP
曲間の調整・諸注意

各曲の曲間を設定します。特殊な意図がなければ2.00秒でOKです。曲名やアーティスト名といったテキスト情報(CD-TEXT)も設定できますが、プレス時に削除される場合が多いため空欄とします。

STEP
DDP書き出し

最後に曲順ミスや音割れなどの問題がないかを入念に確認してください。OKなら中央上部の「DDP」をクリック後「はい」を押すと、このような「○○ DDP」という名称のフォルダが作成されます。「Studio One」での作業は終了です。

STEP
DDPの確認

つづいて「DDP Player」を起動します。左上メニューから「Open」でさきほどの「○○ DDP」フォルダを開くと、このような画面になります。最初から最後まで飛ばさずに再生して確認しましょう。

STEP
ZIP圧縮とアップロード

「○○ DDP」フォルダを右クリック→送る→圧縮(zip形式)して、ギガファイル便firestorageなどのオンラインストレージにアップロードします。URLが発行されるので、これをプレス業者の担当者にメールで送信し、確認してもらいます。OKが出れば無事DDP入稿完了です!

まとめ

同人CDの入稿に必要なDDPデータの作成方法について解説しました!ぜひ参考にしてみてくださいm(__)m

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