Universal Audioから、USBオーディオインターフェイス「Volt」シリーズの第2世代モデルが発表されました。
今回発表されたのは、手軽さを重視した「Volt Gen 2シリーズ」3モデルと、リアルタイムコンプレッサーやトークバックなどを搭載した上位ライン「Volt Maxシリーズ」3モデルです。

全モデルが最大32ビット/192kHzに対応。初代VoltのVintageモードは、Warmth、Focus、Shineという3種類のトーンシェイピングへと進化しました。
さらに、Volt 1 Gen 2を除く5モデルには、フルカラーのスマートディスプレイ、オートゲイン、クリップ保護機能が搭載されています。Volt Maxシリーズでは、LA-2Aや1176などをモデルにしたリアルタイムコンプレッサーも使用できます。
この記事では、性能や価格などあらゆる視点から新型Volt全6モデルを徹底比較&解説します!

Volt Gen 2・Volt Maxシリーズとは
新型Voltは、Apolloシリーズを手がけたチームが開発したUSBオーディオインターフェイスです。
Apolloシリーズとは異なり、UADプラグインを本体のDSPで動作させることを主目的とした製品ではありません。その代わり、USBバスパワー対応、直感的な操作、内蔵トーンシェイピング、豊富な付属ソフトなど、宅録や配信を始めやすい構成になっています。
第2世代では、初代Voltのシンプルさを残しながら、変換解像度、録音レベル設定、視認性、ループバック、ソフトウェア連携、入出力の拡張性が強化されました。

Volt Gen 2シリーズ3モデルを徹底比較!
| Volt 1 Gen 2 | Volt 2 Gen 2 | Volt 4 Gen 2 | |
| 税込価格 | 27,500円 | 39,600円 | 55,000円 |
| 同時入出力 | 2入/2出 | 2入/4出 | 12入/6出 |
| 最大解像度 | 32bit/192kHz | ||
| 最大ゲイン | 60dB | ||
| マイクプリ | 1 | 2 | 2 |
| ヘッドホン | 1 | 1 | 1 |
| ループバック | ○ | ○ | ○ |
| Hi-Z入力 | ○ | ○ | ○ |
| ディスプレイ | × | ○ | ○ |
| オートゲイン | × | ○ | ○ |
| クリップ保護 | × | ○ | ○ |
| MIDI端子 | × | × | ○ |
| ADAT入力 | × | × | ○ |
| Maxプロセ | × | × | × |
| S/PDIF光入力 | × | × | × |
| トークバック | × | × | × |
| スピーカー切替 | × | × | × |
Volt 1 Gen 2の特徴

Volt 1 Gen 2は、2入力/2出力、トーンシェイピング・プリアンプ1基を搭載したエントリーモデルです。
Warmth、Focus、Shineの3モードと32ビット/192kHz対応という新世代の基本機能を、もっとも安い価格で利用できます。一方、スマートディスプレイとオートゲインは搭載されていません。
向いている人
- 1本のマイクまたは楽器を録音する
- 手動のゲイン調整で問題ない
- 最小限の構成で始めたい
- 携帯性と価格を優先したい
Volt 2 Gen 2の特徴

Volt 2 Gen 2は、2入力/4出力、マイクプリアンプ2基、スマートディスプレイ、オートゲイン、クリップ保護を搭載しています。
向いている人
- ボーカルと楽器を同時録音する
- ステレオマイク録音を行う
- 歌ってみたや配信にも使う
- 設定の分かりやすさを重視する
Volt 4 Gen 2の特徴

Volt 4 Gen 2は、12入力/6出力、2基のプリアンプ、ADAT入力、MIDI入出力を備えています。
向いている人
- Maxプロセッシング不要
- 将来入力拡張するかも
Volt Maxシリーズ3モデルを徹底比較!
| Volt 2 Max | Volt 4 Max | Volt 4P Max | |
| 税込価格 | 55,000円 | 71,500円 | 89,100円 |
| 同時入出力 | 10入/4出 | 12入/6出 | 12入/6出 |
| 最大解像度 | 32bit/192kHz | ||
| 最大ゲイン | 60dB | ||
| マイクプリ | 2 | 2 | 4 |
| ヘッドホン | 2 | 2 | 2 |
| ループバック | ○ | ○ | ○ |
| Hi-Z入力 | ○ | ○ | ○ |
| ディスプレイ | ○ | ○ | ○ |
| オートゲイン | ○ | ○ | ○ |
| クリップ保護 | ○ | ○ | ○ |
| MIDI端子 | ○ | ○ | ○ |
| ADAT入力 | ○ | ○ | ○ |
| Maxプロセ | ○ | ○ | ○ |
| S/PDIF光入力 | ○ | ○ | ○ |
| トークバック | ○ | ○ | ○ |
| スピーカー切替 | × | ○ | ○ |
Volt 2 Maxの特徴

Volt 2 Maxは、10入力/4出力、2基のプリアンプ、Maxプロセッシング、トークバック、ADATまたはS/PDIF入力、MIDI入出力を搭載しています。
2基のヘッドホン出力がありますが、公式仕様ではキューミックスは共有です。演奏者とエンジニアが異なる音量で同じミックスを聴く用途に向いています。
Volt 4 Maxの特徴

Volt 4 Maxは、12入力/6出力の上位モデルです。
Volt 2 Maxの機能に加えてスピーカー切り替え機能を備えるため、2組のモニター環境を使い分けたい人に適しています。
Volt 4P Maxの特徴

Volt 4P Maxは、4基のトーンシェイピング・プリアンプを搭載しています。
4本のマイクを同時に直接接続できることが、Volt 4 Maxとの最大の違いです。ボーカルグループ、アコースティックセッション、ドラム、複数人収録などに向いています。
初代Voltとの違いを比較

| 比較項目 | 初代 | Gen 2 |
|---|---|---|
| ビット深度 | 24bit | 32bit |
| サンプリング | 192kHz | 192kHz |
| プリアンプモード | 1種類 | 3種類 |
| マイクゲイン | 55dB | 60dB |
| ディスプレイ | × | ◯(Volt 1以外) |
| オートゲイン | ||
| クリップ保護 | ||
| ループバック | ◯ | |
| Maxプロセ | △(Maxシリーズのみ) | |
| ADAT入力 | △(Volt 1/2以外) |
初代Voltは最大24ビット/192kHz、マイクゲインは55dB、Vintageモードはオン/オフ式でした。新型Voltは最大32ビット/192kHz、60dBゲイン、3種類のトーンモードへと変更されています。

24ビットから32ビット対応へ進化
初代Voltは24ビット/192kHz対応でしたが、新型は32ビット/192kHz対応となりました。
ビット深度の向上は、新型Voltを選ぶ明確な違いのひとつです。ただし、32ビット対応だけで録音が自動的に上手くなるわけではありません。
マイクの選択、録音位置、部屋の反響、演奏、ゲイン設定も音質を大きく左右します。新型ではオートゲインとクリップ保護も加わっているため、実際の使いやすさという面では、これらを含めて評価するとよいでしょう。
Vintageモードが3種類のトーンシェイピングに進化
初代VoltのVintageモードは、UA 610チューブプリアンプをイメージした音のキャラクターを加える機能でした。
新型Voltでは、Warmth、Focus、Shineの3モードから選べるようになりました。上記動画で試聴が可能です。単純なオン/オフではなく、録音対象や楽曲の方向性に合わせてキャラクターを選べる点が大きな進化です。
- 太さや温かさを加えたい場合はWarmth
- アタックと存在感を出したい場合はFocus
- 明るさや抜けを加えたい場合はShine
スマートディスプレイを新搭載
Volt 1 Gen 2を除く新型5モデルには、フルカラーのスマートディスプレイが搭載されています。
入力、録音レベル、各種設定を視覚的に確認できるため、小さなLEDメーターだけで判断する初代モデルよりも状態を把握しやすくなっています。
オートゲインとクリップ保護機能に対応
オートゲインは、入力される音声をもとに録音レベルを設定する機能です。
クリップ保護は、想定以上に大きな音が入ったときのピーク対策を補助します。歌声の音量差が大きいボーカル録音や、演奏の強弱が激しい楽器録音で役立つ機能です。
ループバック機能に対応
新型Voltはループバック機能を備えています。
ループバックを使うと、マイクや楽器の入力と、パソコンで再生している音声を配信ソフトなどへまとめて送れます。ゲーム配信、ライブ配信、ポッドキャスト、オンラインレッスン、解説動画の収録など、DTM以外にも活用できます。

UAD ConsoleとLUNAとの連携に対応
新型Voltは、UAD ConsoleアプリおよびLUNAとの連携に対応しています。
公式製品情報では、セッションリコールと低レイテンシーのキューミックスに対応すると説明されています。録音設定をソフトウェア側から管理したい人にとって、初代との差が出やすい部分です。

入出力と拡張性が強化された
初代Volt 4は4入力/4出力でしたが、Volt 4 Gen 2はADAT入力を含む12入力/6出力へ拡張されています。
Volt MaxシリーズもADATまたはS/PDIF入力とMIDI入出力を備えており、あとから外部プリアンプやデジタル機器を追加できます。

Volt Maxだけの「Maxプロセッシング」
Maxプロセッシングは、録音時に利用できるリアルタイムのダイナミクス処理です。LA-2Aや1176などのクラシックコンプレッサーをモデルにしており、6種類のプリセットから選択できます。3種類のトーンシェイピングと組み合わせることで、18通りのキャラクターを試すことができます。
用途別におすすめのVoltを選ぶ
DTM初心者におすすめのモデル

最初の1台としてバランスがよいのはVolt 2 Gen 2です。
2本同時録音、オートゲイン、クリップ保護、ループバックに対応し、用途が広がっても買い替えを避けやすい構成です。予算を最優先するならVolt 1 Gen 2でも十分ですが、スマートディスプレイとオートゲインの有無を確認して選びましょう。
歌ってみた・ボーカル録音におすすめのモデル
シンプルに録音するならVolt 2 Gen 2、録音時のコンプレッサーまで重視するならVolt 2 Maxがおすすめです。後からプラグインで細かく調整する人はVolt 2 Gen 2、録音中のモニター音を整えたい人はVolt 2 Maxが選びやすいでしょう。
ギター・ベース録音におすすめのモデル
Volt 2 Gen 2は前面にHi-Z楽器入力を備え、ギターやベースを直接接続できます。Focusモードによるパンチ感のある方向性や、Volt Maxの楽器向けコンプレッサープリセットを重視するならVolt 2 Maxが候補です。
配信・ポッドキャストにおすすめのモデル

1人配信ならVolt 1 Gen 2またはVolt 2 Gen 2、2人収録や操作性を重視するならVolt 2 Gen 2がおすすめです。複数人収録、トークバック、ヘッドホン出力2系統が必要ならVolt 2 Max以上を検討しましょう。
ステレオ録音におすすめのモデル
2本のマイクを利用するステレオ録音には、プリアンプを2基以上搭載したモデルが必要です。Volt 2 Gen 2、Volt 4 Gen 2、Volt 2 Max、Volt 4 Max、Volt 4P Maxが候補になります。
バンド・ドラム録音におすすめのモデル

4本のマイクを直接接続したいならVolt 4P Maxです。さらに多くの入力が必要なら、ADAT対応マイクプリアンプを追加する構成を検討します。
iPhone・iPadで使いたい人におすすめのモデル
新型VoltはiPhone、iPadに対応しています。
将来マイク入力を増やしたい人におすすめのモデル
将来の拡張を考えるなら、ADAT入力を備えたVolt 4 Gen 2またはVolt Maxシリーズがおすすめです。
現在必要な入力数だけでなく、今後ドラム録音や複数人収録を行う可能性があるかも考えて選びましょう。
Volt Gen 2・Volt Maxの付属ソフトウェア
主な付属UADソフトウェア
- LUNA Free
- Topline Vocal Tune
- UA 610 Tube Preamp & EQ Collection
- Century Tube Channel Strip
- Teletronix LA-2A Tube Compressor
- UA 1176 Classic FET Compressor
- Pure Plate Reverb
- Galaxy Tape Echo
- Oxide Tape Recorder
- Vibe Analog Machines
- PolyMAX Synth
- Anthem Analog Synth
- UAD Lion ’68 Super Lead Amp
- UAD Showtime ’64 Tube Amp
主なサードパーティ製ソフトウェア
- Melodyne Essential
- Ampeg SVT-VR Classic Bass Bundle
- Virtual Drummer DEEP
- Virtual Bassist DANDY
- Splice INSTRUMENT
- Prisma Producer Lab
- FL Studio Producer Edition 3か月無料
- Puremix教育コンテンツへの期間限定アクセス
Volt Gen 2・Volt Max購入前のよくある質問

ApolloのようにUADプラグインを本体で処理できる?
Volt MaxのMaxプロセッシングは本体でリアルタイム動作しますが、Apolloのように任意のUAD DSPプラグインを本体側で自由に動作させる機能とは異なります。

Volt 1 Gen 2でもオートゲインを使える?
Volt 1 Gen 2はオートゲインとスマートディスプレイの対象外です。これらの機能が必要ならVolt 2 Gen 2以上を選びましょう。
Maxプロセッシングは録音後に解除できる?
録音信号へ処理を適用した場合、処理済みの音は後から完全には元へ戻せません。実際の録音経路やモニター設定については、製品マニュアルで確認したうえで使用してください。
ADATで入力数を増やせる?
Volt 4 Gen 2およびVolt MaxシリーズはADAT入力に対応しています。Volt 2 Maxの公式仕様では、44.1kHz/48kHzで最大8チャンネル、96kHzで4チャンネル、192kHzで2チャンネルのADAT入力が記載されています。

ダイナミックマイクでも十分なゲインを得られる?
新型Voltのトーンシェイピング・プリアンプは、60dBのゲインを備えています。必要なゲインはマイクの感度、声量、マイクとの距離によって変わるため、使用予定のマイク仕様とあわせて確認してください。
iPhone・iPadだけで録音できる?
対応アプリと必要な接続アダプター、電源条件を満たせば使用できます。Lightning端子の機器ではApple Lightning to USB Camera Adapterが必要です。USB-C機器でもモデルと接続構成によって給電条件が変わります。
配信でPC音声を取り込める?
新型Voltはループバック機能を搭載しています。マイク入力とパソコンの再生音声を組み合わせる配信、ポッドキャスト、動画制作などに利用できます。

まとめ
Volt Gen 2とVolt Maxは、初代Voltの使いやすさを受け継ぎながら、最大32ビット/192kHz対応、3種類のトーンシェイピング、スマートディスプレイ、オートゲイン、クリップ保護、ループバックなどを追加した第2世代モデルです。
録音レベル設定を簡単にしたい人、ループバックを使いたい人、複数のトーンを使い分けたい人、ADATで入力数を増やしたい人にとって、新型Voltは買い替えを検討する価値のある進化です!





