2007年12月に発売されたact1の鏡音レンは、初音ミクなどと比べると滑舌などに課題があり、扱いが難しい部類のライブラリとされていました。
そのため、当時のボカロPたちはかなりの手間と時間をかけ、鏡音レンの調声を行っていました。このときのイメージがいまだに根強く残っているように思います。
しかし、2008年のact2、2010年のAppend、2015年のV4Xと3回のアップデートを経て、現在では初心者にも使いやすいライブラリへと変貌を遂げました。
鏡音だけでなく、初音ミク・巡音ルカ・MEIKO・KAITOなど、アップデートが行われたライブラリは、どれも初代と比べて大きく進化しています!
これからVOCALOIDを使い始めようと思っている方も、どうぞ臆せずチャレンジしてみてください!
① POWERがオススメ
鏡音レンのDB(データベース)は、「POWER」「COLD」「SERIOUS」の3種類あります。
この中で私のオススメは断然「POWER」!
なぜなら、もっとも歌声に芯があり汎用性が高いからです。一般的なポップスはもちろん、ロックやメタルといった激しいバンドサウンドの中でも、埋もれず抜けてくる存在感があります。私を含め、多くのボカロPが「POWER」をメインに使っているように思います。
一方、「COLD」「SERIOUS」は「POWER」とは対極のか細い声質で、マッチする曲調が限られます。アコースティックな楽器が主体のパート数の少ないバラード系楽曲などに適しています。
② 基本はベタ打ち
通常の調声(画像上)では、ピアノロールへの音符と歌詞の入力に加え、DYNやVELなどの細かいパラメーターエディットを行い、時間をかけてじっくり理想の歌いまわしに近づけていきます。
一方、ベタ打ち(画像下)はパラメーターエディットを省いた(音符と歌詞入力を行っただけの)簡易的な調声方法を意味します。
簡易的と言っても、さきほども述べたとおり、現在のVOCALOIDはベタ打ちでもある程度スムーズに歌い上げてくれます。したがって、(パラメーターはいったん横に置いておき)まずベタ打ちでどんな歌唱をするか観察してみましょう。
明らかに違和感を感じる部分があれば、そこだけを直せばよいのです。
Append以降、私はこのスタイルで調声を行っています!
③ ミックスが最重要
調声が完了したらWAVファイルに書き出します。波形データに変換することにより、DAW上での調声(ミックス)が可能となります。
ここでもっとも重要なのは、ボーカルの音量を一定に揃えるということです。これをしっかり行うか行わないかで、最終的な聴き心地は大きく変わってきます。
そのために、コンプレッサーというプラグインエフェクトを使います。どのDAWにも必ず搭載されている基本的なプラグインです。細かい使い方については、以下の記事で解説していますので、ぜひお読みください。
その下ごしらえとして、EQ(イコライザー)で不要な低域を削ったり(ローカット)、高域を持ち上げて抜け具合を調整したりします。仕上げにリバーブでオケとの馴染みを良くして、基本的なボーカル処理は完了です。
私がベタ打ちを推奨している最大の理由は、ボカロエディタ上でDYNを細かく書くより、DAW上でコンプレッサーをかけてしまったほうが早いし簡単だからです!
エフェクトはDAW上で
VOCALOID5 Editorには、様々なエフェクターが標準搭載されています。
調声時にプレビューとして使う分には問題ありませんが、WAVに書き出す際は外した方が良い結果が得られるでしょう。(ロボットボイスなど、音作りの一環として使っているエフェクトはそのままでもよい)
ボーカルに限らず、基本的にエフェクトはミックスの段階でかけるものです。他のパートとのバランスを取りながら微調整を繰り返していった方が、最終的な仕上がりが良くなるからです。
まとめ
いかがでしたか?
鏡音レンの調声テクニックについての記事でした!
ぜひ参考にしていただければと思いますm(__)m