Rupert Neve Designsから気になる新製品が発表されました。その名も「Master Bus Transformer(MBT)」。
この記事ではその機能や特徴、また「Portico II Master Buss Processor(MBP)」との違いを、日本の代理店より一足早くまとめてみました!
Master Bus Transformer おもな機能
「Master Bus Transformer」が搭載している主な機能は、①EQUALIZER(2バンドシェルフEQ)、②COLOR COMP(オプティカルコンプレッサー)、③WIDTH(ステレオ幅調整)、④SUPER SILK(トランスフォーマー)の4つです。順番に解説していきます。
EQUALIZER
EQUALIZERは、ローとハイの2バンドからなるシェルビング型EQです。
青いツマミで周波数を、赤いツマミでその増減幅をコントロールします。ローは30~240Hz、ハイは3~24kHzの間で調整が可能。EQ INボタンをオフにすればバイパスすることもできる。
COLOR COMP
COLOR COMPは、特注のオプトセルを使用したオプティカル(光学式)コンプレッサーです。
スレッショルドは0~24dBu、リリースは100mS~1.5S、レシオは2:1または5:1の選択式です。低域(キックやベースなど)を圧縮から除外するHPFは20~350Hz。なお、アタックは20mS固定のようです。
また、BLEND機能を使えばドライとウェットのバランスをコントロールでき、いわゆるパラレルコンプが簡単に行えるようになっています。
WIDTH
WIDTHでは、ステレオソースの幅を広げることができます。
こちらにもHPFがついているので、低域(キックやベースなど)の定位を保ったまま、中高域に広がりを出すことが可能です。
SUPER SILK
RND製品ではすっかりおなじみとなったRED SILKとBLUE SILK。BLUEは低中域にREDは中高域に作用し、特製トランスフォーマーによる音楽的で豊かなハーモニクスをもたらします。
従来のRND製品ではそのどちらか一方しか使えませんでした。しかし、なんとMBTでは両方同時に使えてしまうのです!これはおそらく初ではないでしょうか?まさに「SUPER SILK」の名にふさわしい進化だと思います。
Master Buss Processor との違い
さて、MBTのフォルムを見て、マスタリング用プロセッサーの定番機「Portico II Master Buss Processor」そっくりだと思ったのは私だけではないでしょう。しかし、それぞれの持つ機能はまったく異なり、相互に補完しあう関係にあります。
MBPはマスタリング用というだけあり、コンプレッサーの設定項目が多様で、MBTにはないリミッターや大きなリダクションメーター、センドリターンなどを備えています。
MBTはコンプレッサーが簡略化された代わりに、SILK機能が大幅強化。マスタリングはもちろん、ミキシングにおける個々のトラックのトリートメントにも有効です。
Master Bus Transformer 価格予想
Rock oN Line eStoreの商品ページによると、日本での販売価格は税込¥583,000!
また、価格面でもMBPは$4,699、MBTは$3,999と、日本円にして10万円以上の差があります。
$4,699のMBPが定価68万円(税込)で販売されていることから、超ザックリ単純計算で1ドル145円と推定。このレートが適用されれば、MBTの予想販売価格は約58万円となります。
ただ、昨今の円安は著しく1ドル150円目前まで進行(記事執筆時点)していることから、プラス1~2万円される可能性も十分考えられます。
いずれにせよ、庶民には手の届かない超高級機材ですね(笑)
まとめ
Rupert Neve Designsの新製品「Master Bus Transformer」の解説でした!
日本の代理店からはまだ発信がありませんが、一足早く紹介させていただきました。