Apollo Solo USB 実機レビュー!気になる音質や操作性は?

先日、Universal Audioのオーディオインターフェイス「Apollo Solo USB」を導入しました!

この記事は、みなさんが気になる「Apollo Solo USB」の音質や操作性について、手持ちのオーディオインターフェイスとの比較を行ったレビュー記事です。購入前のご参考になればと思いますm(__)m

目次

Apollo Solo USBとは?

「Apollo Solo USB」は、2020年夏発売されたUniversal Audio製のオーディオインターフェイスで、入出力は2IN/4OUT。数あるApolloシリーズの中でも入門用の最廉価モデルです。

Apolloシリーズが他のインターフェイスと一線を画す点は、Unisonテクノロジー搭載のマイクプリ2基と、SHARCチップと呼ばれるDSP1基を内蔵している点です。これらを駆使することで、何十万円もするヴィンテージアウトボードの挙動をシミュレートしたレコーディングができます。

Universal AudioのプラグインはすべてDSPで動作しています。したがって、SHARCチップ搭載の製品を所有していないと使用することができません(=Voltシリーズでは使えない)。クラック対策としてこのような仕様となっています。

このUnisonテクノロジーを前々から試してみたくて今回購入したのですが、これについては後日ちゃんと記事にするとして、今回は肝心の音質や操作性についてのファーストインプレッションをレビューしていきます!

筆者は2013年から「UAD-2 QUAD CORE」を導入し、すべての曲でUAのプラグインを使っており、そのクオリティは高く評価しています。

外観・操作性

ネット上の画像では安っぽそうに見える外観でしたが、実際手にしてみるとずっしりした鉄(ダイキャストメタル筐体)の重みとひんやりした触感で、1万円台の安物インターフェイスとは明らかに違う高級感を感じます。

操作部を見ていきましょう。左側はIN/OUTそれぞれに対応したレベルメーターが4本。その下には録音時に使用する機能のON/OFFや切り替えを行うためのボタンが6個

右側は大きなメーター付き無段階ロータリーノブ(これを回した時のヌルヌル感に感動!)と、そこに表示させる情報を切り替えるためのボタンが2個

見ての通り直感的な操作が可能で視認性も抜群。IN/OUTのレベルコントロールだけならPC画面を見ず手元ですべてコントロールできるため、録音時はとても便利そうです。

もちろんPC上でも操作できます。その場合は専用ソフト「Console」で行うことになります。さきほどのUnisonテクノロジーをはじめ、入出力に適用するエフェクトを選ぶ場合もここで行います。

ルーティング設定もここでできるのですが、最初どこにどう繋がっているかよく分からず苦労しました。この点は、RMEのTotalMixくらいわかりやすく自由にできたらなと思います。とはいえ、普通に再生や録音をするだけなら何もいじる必要はないので、そこまで心配しなくていいと思います。

音質比較

ここからは、手持ちの10年間愛用してきたRME製のオーディオインターフェイス「Fireface UC」との音質比較です。こちらの特徴はとにかく原音忠実でフラット味付けのない正しい音を再生しなければならないミキシングやマスタリングで活躍しています。

比較前の予想ですが、おそらく「Apollo Solo USB」は、アナログライクな中音域にコシのある太く温かい出音な気がします(そうであって欲しい)。

それでは実際にやっていきましょう!

個人の主観丸出しレビューです。参考程度にお読みください。

初日の印象

「元気な音だなぁ」というのがまず第一印象。予想とは真逆の派手なギラついた出音に感じます。悪く言えば高域が強調されている感じがします。特にハイハットやシンバルの金属的な響きが集まる帯域、このあたりが耳に痛く感じます。ボーカルも実際より前に出て聞こえますね。相対的に低域が物足りなく感じるかなぁ…。

リスニング用途には良さそうですが…
う~ん、ミキシングやマスタリングで使うのはちょっと厳しい?

2日目の印象

昨日は「Fireface UC」が基準でしたので、今日はまず「Apollo Solo USB」で何時間か新旧いろんな曲をiTunesで聴いてみてからの比較です。

慣れの問題なのでしょうが、昨日ほど高域のキツさは感じません。むしろ音にツヤというか躍動感があって悪くない印象です。やはりリスニングには向いているようです。

その後「Fireface UC」に戻して聴いてみると、とてつもなく平らに感じます。広大な砂漠で地平線を眺めているような、平らな出音で、前後の奥行き、立体感も乏しい印象を受けます。もともとそういう製品なので当然といえば当然なのですが、音楽鑑賞に使うには地味すぎてつまらないかも?

音質比較の結論

完全に私の推測ですが、おそらく「Apollo Solo USB」がハイ上がり気味なのは、歌や楽器を録るときにフラットすぎると気分が上がらないからだと思うのです。そう考えると、どっちがいい悪いではなく、そもそもメーカーの売ろうとしているターゲットが違うから音の特性も違うよねという話。

「Apollo Solo USB」は、ギタリストやボーカリストなどのミュージシャンが手軽に高音質なレコーディングするための、録音に比重を置いたインターフェイス。

「Fireface UC」は、ミキシングやマスタリングなど正確なモニタリングを行う必要のあるエンジニア系の人のための、再生に比重を置いたインターフェイス。

今回の比較で「Fireface UC」のフラットさを再認識でき、特性のまったく異なるインターフェイスも入手でき、とてもよかったと思います。複数の録音再生環境があることで、今後の制作にも何かしらのいい影響をもたらしてくれるだろうと感じます。

まとめ

いかがでしたか?

Universal Audioのオーディオインターフェイス「Apollo Solo USB」の音質や操作性について、正直にレビューをしてみました。

かなり主観に満ちているのであまりお役に立たなかったかもしれませんが、ひとつの参考にしていただければと思いますm(__)m

目次