
前回の記事の続きです。
今回は具体的なコンプレッサーの使い方をご紹介します。
コンプレッサーの用途は多岐にわたり、最も使い方が難しいエフェクトでもあります。
この記事ではVOCALOIDの調声のみに絞って解説します。
コンプの設定手順
コンプレッサーは、ある一定のラインを超えた音を圧縮するエフェクトです。
スレッショルドでその基準となる音量を指定します。
この値が低すぎるとかかりっぱなしになって不自然になってしまうので、必要最低限にとどめましょう。
今回の場合は-6dbあたりが妥当と判断しました。波形を見ると決めやすいと思います。

次に圧縮率を決めていきます。
スレッショルドを超えた音をどのくらいの割合で圧縮するかを指定します。
レシオは「〇:1」といった表記がなされます。
「2:1」の場合は半分の音量、「3:1」の場合は3分の1の音量…という具合に、
数値が大きくなればなるほど圧縮が強くかかるようになっています。
たとえば、ピークが0dbの波形を、
スレッショルド-6db、レシオを2:1で設定すると、
ピークは半分の-3dbになります。
②で決めたピークに達するまでにかかる時間を指定します。
アタックとリリースは、「ms(ミリセカンド)」という単位で指定します。
1ms=1000分の1秒、つまり1000ms=1秒です。
ボーカルにかける場合、あまり長く設定してしまうと圧縮しきる前に次の音に行ってしまうので、短めが良いでしょう。
これもあまり長く設定してしまうと解除しきる前に次の音に行ってしまうので、短めが良いでしょう。
不自然な圧縮にならないよう、各パラメータを微調整します。
目安としてゲインリダクション(GR)が5db以内であれば自然なコンプレッションが得られると思います。
設定例

・スレッショルド:-6db
・レシオ:5:1
・アタック:4ms
・リリース:100ms
今回の設定はこのようになりました。
使用したエフェクトはSONARに付属のSonitus:compressorです。
基本的にパラメーターはどのメーカーのものを使っても同じです。
結果
実際の挙動を分かりやすくするため動画を貼っておきます。
上の青い波形が元の波形、下が圧縮後の波形です。
ピークが適切に処理されているのが分かると思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
コンプレッサーの使い方をかなり簡単に説明しました。
効果が分かりにくいエフェクトなので慣れるまでは大変だと思いますが、
使いこなせるようになれば、強力な武器になります。
ぜひ参考にしてみてください。
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