CDのパッケージといえば、プラスチック製のジュエルケースにディスクやブックレットが収められているのが一般的です。しかし、ジュエルケースには衝撃に弱い(割れやすい)という致命的な欠陥があります。
われわれ同人音楽サークルは、イベント会場への搬入を宅配便で行うことが多いですが、どれだけ梱包に気を使っていても1~2枚のケース割れは発生してしまいます。こういったCDは、たとえ中身が無傷であっても頒布できません。つまり損失です。
この問題を解決する一つの手段として、当サークルでは紙ジャケットを導入しました。この記事では、シンプルな「1ポケットタイプ」と、2枚のCDを収められる「2ポケットタイプ」の紙ジャケット作り方を、Adobe Illustrator用テンプレートとともにご紹介します。
紙ジャケットのサイズ
今回作る紙ジャケットの最終的な仕上がりサイズはどちらも135×135mm。展開サイズは、1ポケットが270×165mm(A4以内)。2ポケットが270×285mm(A3以内)です。
一般的なブックレット(120×120mm)や不織布に入ったCD(128×128m)がスムーズに収納できるよう、やや大きめに設計しています。
表紙にはジャケットイラストやCDタイトルなど、裏表紙はジュエルケースで言うところのバックインレイにあたる部分で収録曲などを配置してください。2ポケットの内側は組立時に天地が反転しますので注意してください。
テンプレートと入稿データの作り方
入稿データの作成にはAdobe Illustratorを使用します。1ポケットはA4、2ポケットはA3のキャンバス上にCMYKで作ってください。
注意事項として、組立時にハサミで切る目安となる線はデザインレイヤー上に配置し、印刷されるようにしてください。上記テンプレートのデザインレイヤーにはあらかじめ入れてありますのでそのままお使いください。
スジ入れの位置指定の方法は印刷業者によって異なるため、ご自身で入れてください。
厚紙印刷&スジ入れのできる業者で
印刷に用いる用紙は厚めの用紙(180/220kg)を指定してください。また、組立をしやすくするスジ入れ加工(横に2本)もつけておくと良いでしょう。
参考までにプリントパックでこの仕様を100枚発注すると、1ポケットは¥4,525(税込)、2ポケットは¥6,615(税込)で印刷可能です(執筆時点)。組み立てる手間こそありますが、かなり安価に制作できることがお分かりいただけたかと思います。
私が普段使っている印刷業者はプリントパックかグラフィックですが、そこまで特殊な印刷でもないので、他の業者さんでも可能だと思います。
紙ジャケットの組み立て方法
1ポケット式(かんたん)
ハサミで不要な部分をカットし、上下に4カ所のフラップ(灰色の部分)を作ります。横2本のスジを山折り、さらに長辺を半分に山折り。テープのりでフラップ同士を接着。慣れれば1枚1~2分でできます。
2ポケット式(むずかしい)
ハサミで不要な部分をカットし下部に2カ所のフラップを作ります。細長い切れ込み部はカッターと定規で慎重に切ります。横2本のスジを山折り、さらに長辺を半分に山折り。テープのりでフラップを反対側と接着。手間がかかるので1枚3~4分かかります。
最後に、ブックレットやCDをポケットに封入し、OPP袋で包装すれば完成です!
まとめ
シンプルな「1ポケットタイプ」と、2枚のディスクを収められる「2ポケットタイプ」の紙ジャケット作り方を、私の制作事例とともにご紹介しました。
ぜひ参考にしてみてくださいm(__)m