自作PCユーザーやメモリ増設を検討されている方々にとって、昨今のPCメモリ(DRAM)価格の高騰は頭の痛い問題となっています。
2025年後半から始まったこの高騰は2026年に入っても勢いを増しており、その価格はかつての底値から数倍にも跳ね上がっている、まさに歴史的な異常事態と言えます。
この記事では、なぜこのような価格高騰が起きているのか、そしてこの厳しい状況を賢く乗り切るために、少しでも安くメモリを手に入れるための具体的な購入戦略を、2026年1月時点の最新情報に基づいて徹底的に解説します!

なぜPCメモリ価格が高騰しているのか?
まずは、現在のメモリ価格がどれほど高騰しているのかを具体的に見てみましょう。特に需要の高いデスクトップPC向けのDDR4およびDDR5メモリの32GBキット(16GB×2枚組)の価格を比較します。
| メモリ規格 | 以前(2024年頃) | 現在(2026年1月) | 上昇率 |
| DDR4 | 約8,000〜12,000円 | 約35,000〜50,000円 | 3〜4倍 |
| DDR5 | 約15,000〜22,000円 | 約70,000〜90,000円 | 4〜6倍 |
この価格の異常な高騰は、単なる需要と供給のバランス崩れという単純な話ではありません。その背景には、世界のテクノロジー産業の構造的な変化が深く関わっています。
要因① HBMへの生産集中
現在のメモリ高騰の最大の要因は、AI(人工知能)需要の爆発的な増加です 。AIブームを牽引するNVIDIAのGPUや、AIサーバーには、従来のPC用DRAMとは異なる、積層技術を用いた高性能なHBM(High Bandwidth Memory)が不可欠です。
SamsungやSK Hynixといった主要なメモリメーカーは、このHBMの需要に応えるため、生産リソースをHBMに集中的に振り向けています。HBMは製造プロセスが複雑で、従来のDRAM製造ラインを転用する必要があるため、HBMの生産が増えるほど、PCやスマートフォン向けの標準DRAMの生産量が減少します。
要因② AI企業による大規模なDRAM確保
OpenAIやGoogle、Metaといった巨大AI企業は、将来的なAIインフラ構築を見据え、メモリメーカーと数年単位の大規模な供給契約を結んでいます。これにより、市場に出回る標準DRAMの在庫がさらに枯渇し、価格が吊り上げられる結果となっています 。
要因③ AI PCへのシフト
2026年は、AI処理をローカルで行う「AI PC」の普及が本格化すると見られています。AI PCは、従来のPCよりも多くのメモリを搭載することが推奨されており、これもまたDRAMの需要を押し上げる要因となっています。
これらの要因が複合的に作用し、特にDDR5メモリはかつてないほどの高値圏で推移しているのです。
「待てば下がる」は通用しない!
「PCパーツは待てば安くなる」という格言は、今回のメモリ高騰においては通用しない可能性が高いと、多くの市場アナリストが指摘しています。
- 楽観的見通し: 2026年末頃に需給バランスが改善し始める。
- 現実的見通し: HBMの生産ラインが安定し、標準DRAMの供給が本格的に回復するのは2027年以降になる可能性が高い。
AIブームが沈静化しない限り、メモリメーカーの生産優先順位はHBMに置かれ続けるため、価格が急落する要因は見当たりません。したがって、「待てば下がる」と悠長に構えているとさらに価格が上昇するリスクすらあります。

メモリを安く買えるのはどこ?
戦略①:中古ショップ・フリマアプリ

| 購入ルート | メリット | デメリット |
| ソフマップ/じゃんぱら等 | 動作確認済みで保証が付くため安心。 | 新品価格に引っ張られ、中古価格も高めになっている場合がある。 |
| メルカリ / ヤフオク | 最安値が見つかる可能性がある。 | 動作保証がない場合が多い。個人間取引のトラブルに注意。 |
新品のメモリを定価で購入することが最も割高な選択肢となっている今、少しでも出費を抑えるためには、従来の購入ルートから外れた戦略が必要です。
新品価格が異常な水準にあるため、安く購入したい場合は中古市場がもっとも現実的な選択肢となります。
中古品を購入する際は、必ず「DDR4-3200」や「DDR5-5600」といった規格と、「16GB×2枚組」といった容量が明確に記載されているかを確認しましょう。また、中古ショップであれば、保証期間(1週間〜1ヶ月など)を確認し、購入後すぐに動作確認を行うことが重要です。
戦略②:BTOパソコンのカスタマイズ

PC本体の買い替えを検討している場合、BTO(Build to Order)メーカーのカスタマイズオプションを利用するのが、パーツ単品購入よりも安価になる最大の裏技です。
BTOメーカーは、大量のメモリをメーカーと直接契約で仕入れているため、単品市場価格よりも遥かに安い原価でメモリを確保しています。
PC本体の購入を検討している方は、メモリのアップグレード費用を重点的に比較し、BTOメーカーの「抱き合わせ販売」を逆手に取るのが得策です。
戦略③:コスパ重視のブランド選択

G.SkillやCorsairといった高性能・高付加価値のブランドは、価格高騰の影響を強く受けています。性能を追求しないのであれば、標準的なスペックのブランドを選ぶことで、わずかながら出費を抑えられます。
推奨ブランド
CFD、Silicon Power、Crucialのヒートシンクなしの標準モデル。
最終手段とその他の節約術

容量の妥協
現在、32GB(16GB×2)がPCの標準となりつつありますが、価格高騰の状況下では、16GB(8GB×2)で一旦凌ぐという戦略も有効です。
- 16GBでできること: ほとんどのゲーム、一般的なオフィス作業、ウェブブラウジングは快適に行えます。
- 32GBが必要な作業: 動画編集、大規模な画像処理、仮想環境の構築、メモリを大量に消費する最新のAIアプリケーションなど。
もし現在の用途が16GBで賄えるのであれば、価格が落ち着くまでの「つなぎ」として16GBを導入し、将来的に価格が下がったタイミングで32GBや64GBに増設することを検討しましょう。
ポイント還元やセールをフル活用

- Amazon: プライムデーやブラックフライデーなどの大型セール。
- 楽天市場: お買い物マラソン、楽天スーパーセールなど、ポイント還元率が大幅にアップする期間。
- Yahoo!ショッピング: 「5のつく日」など、PayPayポイントの還元率が高い日を狙う。
実質的な購入価格を下げるために、ECサイトのポイント還元やセールを最大限に活用しましょう!
これらのセール期間中は、メモリやSSDといったストレージ系パーツが「目玉商品」として値引きが行われます。ポイント還元を考慮すれば、実質価格を数千円単位で抑えることも可能です。
まとめ
- 新品単品は避ける: 最も割高な選択肢です。
- 中古市場を活用: じゃんぱら、ソフマップ、フリマアプリで掘り出し物を探す。
- BTOカスタマイズ: PC本体購入の際は、メモリのアップグレード費用を比較する。
- 容量を再検討: 16GBで凌ぎ、将来的な価格下落を待つ。
2026年のPCメモリ市場は、AI需要という巨大な波に飲まれ従来の常識が通用しない異常な状況にあります。
この価格高騰は一時的なものではなく、構造的な問題に起因しています。焦らず、冷静に、そして賢く「守り」の購入戦略を立てて、この厳しい時期を乗り切りましょう!



