クリエイター用のPCというと数十万円する高価なイメージがあるかもしれませんが、適切にカスタマイズしていけば、10万円台でも十分に高性能なパソコンを手に入れることが可能です。
また、現在のPCからパーツを流用し自分で組めば、さらに安く済ませることもできます。
というわけで、今回は“10万円以内で快適なDTM用パソコンを組む”をテーマに、記事を書いていきたいと思います。
自分で組む!
【CPU】AMD Ryzen 7 5700G BOX ¥51,800 @最安
【メモリ】CFD W4U2666CX1-8G [DDR4 PC4-21300 8GB 2枚組] ¥7,980 @最安
【マザーボード】ASRock A520M-HDV ¥5,473 @最安
【SSD】crucial MX500 CT1000MX500SSD1/JP ¥10,480 @最安
【光学ドライブ】ASUS DRW-24D5MT [ブラック] ¥2,151 @最安
【ケース】Thermaltake Versa H26 Black /w casefan ¥3,911 @最安
【電源】Thermaltake SMART 500W STANDARD ¥4,580 @最安
【OS】マイクロソフト Windows 10 Home 64bit 日本語 DSP版 ¥12,480 @最安
合計 ¥ 98,855
今回考えてみた構成例です。 とりあえず10万円以内にできました。
CPU
CPUはPCの心臓部でありDTMにおいても最重要です。よって、いきなりですがここに予算の半分をつぎ込みたいと思います。今回チョイスしたAMD Ryzen7 5700Gは、2021年8月に発売されたばかりの8コア16スレッドの高性能CPUです。
通常のAMD製CPUはグラフィック機能(GPU)が搭載されておらず、グラフィックボードを用意しないと、画面を表示させることができません。しかし、今回のような末尾に”G”のつくモデルにはGPUが標準搭載されており、別途グラボを用意する必要がない為、安価にPCを組むことが可能となります。AMD製CPUの中でも特にコストパフォーマンスの高い製品と言えます。
予算が厳しい方は1ランク下げて、6コア12スレッドになってしまいますが、AMD Ryzen5 5600Gという選択肢もアリだと思います。
CPUクーラー
5700G・5600Gともに「Wraith Stealth Cooler」というCPUクーラーが付属しますのでこれを使用します。しかし、画像(一番右)を見る限りかなり簡素なので、負荷がかかった際に、冷却が追いつかないかもしれません。
ソフト音源やプラグインを大量に使用する予定のある方は、予算オーバーになってしまいますが、安くてよく冷える定番の「虎徹 Mark II」などが用意できれば安心できそうです。
Intelで組むなら
Intelで組むなら同じく8コア16スレッドのCore i7 11700Kあたりでしょうか。
PassMark Softwareのベンチマーク結果では5700Gと同程度の結果が出ています。ただし、消費電力とグラフィック性能の面で5700Gに大きく劣る点は要注意です。
また、私が現在使っているPCのCPUは2018年のRyzen7 2700Xですが、ソフト音源やプラグインを遠慮なく使用できています。
両者はそのスコアを大きく上回っていますから、どちら(5700G/11700K)を選んでも快適な作業が期待できるでしょう。
メモリ
DTMでは主にソフト音源周りでメモリを使用します。ソフト音源には、wavなどの音データを一時的にメモリに読み込んで再生する仕様のものが多く、その場合大きな容量を必要とします。
したがって、最低でも16GBは欲しいです。予算のある方は32GB積んでおくと安心です。
ただ、メモリは後からでも簡単に増設できるので、とりあえず今回は16GBで組みました。
マザーボード
AMD Ryzen 7 5700Gが動作するチップセットは3種類あり、ざっくり分けると、A520(ローエンド)・B550(ミドルクラス)・X570(ハイエンド)です。予算の都合上、最廉価モデルのA520を選択しました。
SSD
一般的な用途であれば500GBやそれ以下でも十分足りますが、DTMにおいては大容量ソフト音源を使いますので、それでは心もとないです。ひとまず1TBあれば安心かと思います。
それでもいずれは足りなくなってくると思います。大容量のSSDはまだ高価ですので、そうなったら2~4TB程度のHDD(\6,000~\8,000)を買って、サブストレージとして運用することをオススメします。
電源
これは私も使っている電源です。2年使用していますが今のところ問題なく動作しています。容量はグラボを積んでいないので、500Wもあれば十分かと思います。
ディスクドライブ
最近はディスクドライブのないPCが増えています。
しかし、DTMerの場合買ってきたCDをiTunesに取り込んだり、プレス工場に送るマスターCDを焼いたり、手焼きCDを作ったりと、一般の人よりドライブを使う機会が多いと思いますので、積んでおいた方が良いかなと考えます。
ケース
ここ数年ずっとAmazonランキング1位のケースです。安価ですが評判も良く、コスパに優れた製品と言えるでしょう。
OS
現在のストレージを流用する場合は、OSも引き続き使用可能ですので購入不要です。
BTOで買う!
ここまで自作前提でお話してきましたが、いろいろ調べてみたところ、5700Gを搭載したBTOPC(完成した状態で届く)は各社から販売されているようです。
自分で組むより3~4万円程度割高となってしまいますが、安心代だと思って自作が不安な方は利用してみるのも手かもしれません。
SEVEN
@Sycom
VSPEC
ARK
まとめ
いかがでしたか?
DTM用の高性能なパソコンも意外と安価に組めることがお分かりいただけたと思います。
ぜひパソコンを新調する際の参考にしてみてくださいm(__)m