概要
「Pulsar 1178」はどこのレコーディングスタジオにも必ず1台はある、超定番ビンテージコンプレッサー「UREI 1176」のステレオ版「UREI 1178」をシミュレートしたプラグインです。
1176は現在Universal Audio社が製造販売しています(約30万円前後)。
1176をモデルにしたプラグインは世界中のメーカーから販売されていますので、そこだけ見れば希少性のあるプラグインではありません。
しかし、他の1176系プラグインとは一線を画す機能がこの「Pulsar 1178」には搭載されています!
コンプレッサーの難しさ
コンプレッサーをマスターするのは至難の業です。
なぜなら、適切なコンプレッションが行われているかどうかを、自分の耳とリダクションメーターで判断するしかないからです。
この感覚は、長年の経験によって身につける他ありません。趣味で音楽をやっている我々DTMerにはなかなか会得しがたい技術です。
圧倒的な視認性
「Pulsar 1178」の実際の挙動を動画で説明します。
まず、画面右上を見てください。ここにリアルタイムで波形が表示されます。
下に表示されている灰色の波形が原音、上に表示されているひっくり返った赤色の波形がゲインリダクション量、つまり実際に行われたコンプレッションを示しています。
赤の面積が小さければ軽いコンプレッション、大きければ強いコンプレッションが行われているということです。このように視覚的に圧縮具合が確認できる点がこのプラグイン独特の強みです。
コンプレッサーで特に難しいとされるアタックやリリースの調整も、これを見ながら行えば、最適な設定をスピーディーに見つけ出すことができるでしょう。
例えば、29秒あたりからリリースを操作する場面があります。耳だけで行うと、圧縮が次の音にかかってしまっていても気づくことができない可能性があります。
ところが、視覚的な確認ができればこういった過剰なコンプレッションを防ぐことが可能になります。
補足
ちなみに、この便利機能は同社の「Pulsar Mu」にも搭載されています。
こちらはMANLEY社の「Variable Mu Limiter Compressor」(通称バリミュー)のモデリングプラグインです。
私はUAD版も所有していますが、サウンドは 「Pulsar Mu」 の方が好みで、バスコンプとして愛用しています。
まとめ
いかがでしたか?
Pulsar Audioの1178のご紹介でした。
試用版もあるので興味を持った方はぜひお試しください!