【conca】台紙つきのダウンロードカードを1万円で作った方法!

同人音楽や同人ゲームを制作している方の中には、CDやDVDに取って代わるメディアとして「ダウンロードカード」を採用しているサークルも多いのではないでしょうか。

サークル側からすると、ダウンロードカードはとても軽量かつかさばらないので会場への搬入出が楽ですし、割れやすいプラスチックケースを使用していないので破損する心配もありません。これでさらに制作費も安く抑えることができれば……もはや言うことなしですよね?

というわけで、今回は「ダウンロードカードを安く作る方法」について、つい先日制作した『DEEP BLUE (Hi-Res Edition)』を例に解説していきたいと思います!

目次

SONOCAの特徴/比較

ダウンロードカードの走りとして有名なのが「SONOCA」です。SONOCAとは、歌声合成ソフトウェア「初音ミク」などの企画開発で知られるクリプトン・フューチャー・メディア株式会社が展開している、音楽に特化したダウンロードカードです。

なので、あなたがボカロPで自作曲をダウンロードカードとして頒布したい場合には、SONOCAを選んでおけば間違いないでしょう。

ただ、SONOCAは音楽ファイル(WAV/FLAC)しか配信できなかったり、サイズに上限(700MB/3GB)があったり、台紙がデザインできなかったりと、自由度があまり高くありません。

concaの特徴/比較

そんな中、注目を集めているのが「conca」です。concaは音楽や動画はもちろん、画像やPDF、ZIPファイルなど、ありとあらゆる拡張子を配信することができます。

しかも、ファイル数や容量を増やせるオプションもあるので、音楽サークルだけでなく、ファイルサイズが大きくなりがちな、ゲームやコスプレ写真等を扱うサークルにもオススメできます。

中でも私が素晴らしいと思ったのが、シリアルコードだけを発行できる「コードオンリープラン」というサービスがある点です。このプランを利用することで、カード印刷とコード発行がセットになっている「カードプラン」よりも、大幅に安くしかも自由なデザインでダウンロードカードが制作できるのです!

ダウンロードカードはもっと安く作れる

ダウンロードカードが高価となってしまう理由のひとつとして、カードの素材にプラスチックを採用しているという点が挙げられます。

プラスチックカードは、分厚くて光沢もあるので独特の高級感を演出できます(クレジットカードを想像していただけると分かりやすいかと思います)。しかし、プラスチックへの印刷は費用がかかってしまう点がネックです。

カードの素材を紙に変更するだけで、印刷費を約10分の1に抑えることが可能です。

紙で作るダウンロードカード

引用:プリントパック「ショップカード印刷」

今回利用したのは、いつもお世話になっているプリントパック「ショップカード印刷(86×54mm)」です。

厚みと光沢が欲しかったので、用紙はミラーコートの220kgを選択。表4色裏1色を100枚発注(3営業日)して印刷代は驚愕の¥1,590(税込)。用紙や納期を変更すれば¥1,000以下も可能です。

裏面はこんな感じです。今回はconcaのデザインを踏襲しましたが、カラーを使用することももちろん可能です。両面カラーでも代金はほぼ変わらず¥1,610(税込)。シリアルコードを記載する部分は空欄としておき、のちほどシールを貼ります(後述)。

追加オプション(+¥805)で角丸加工も可能ですが、今回は昔買ったサンスター文具「かどまるPRO」という道具を使用して自分で行いました。厚紙なので1枚ずつパンチする必要があります(複数枚まとめてできない)が、これはこれで楽しい工程でした。

concaのコードオンリープラン

concaのコードオンリープランでシリアルコードを100件発行します。

ZIP圧縮すればたくさんのファイルを安価に配信できる

基本料金¥1,980で500MBのファイルが1個配信できます。今回はこれに容量増加(~1.5GB)¥2,200と、ファイル追加(+1個)¥1,100のオプションを加えて、合計¥5,280(税込)でした。

決済を行うとすぐにシリアルコードが発行されます。マイページからシリアルコードマネージャーにアクセスすると発行されたコードが確認できます。

シリアルコードの印刷方法

つづいて、これらを自宅のプリンターで印刷します。今回使用したのは「エーワン ラベルシール 125面 10シート 72125」。8×35mmの横長シールが125個面付けされているタイプで価格は¥345。

ちなみにカード裏面の空欄はちょっと大きめの10×38mmで作ってあります。入稿前に使うシールの寸法をかならず確認しましょう。

発行したシリアルコードはcsv形式で保存可能です。エーワンのラベル作成ソフト「ラベル屋さん」には、差し込み印刷というバリアブル(可変)印刷に相当する機能があるので、このcsvを読み込んでシリアルコードを印刷します。

印刷後のラベルシール(コード部分はモザイク処理)

これを1枚ずつカードの裏面に貼っていけば、ダウンロードカードはひとまず完成です。

オリジナル台紙でクオリティアップ

ただ、それだけではパッケージとして寂しすぎるので台紙を作ります。SONOCAやconcaのカードプランの台紙は固定デザインですから、ここで大きく差をつけたいところです。

今回はCDと同サイズの120×120mmで作りました。2つ折り構造となっていて中には歌詞カードが入っているので、展開サイズは240×120mmです。

また、表紙にはカードを差し込むための切れ込みが入れてあります。カードがプラスチック製なら、下記のようなテープで接着してしまうのが一般的なのでしょうが、紙製なのでこのような方式にしています。

これも印刷業者はプリントパック。「小ロットオンデマンド厚紙フライヤー(A4)」で用紙はハイマッキンレー220kg。片面4色を100枚発注(2営業日)して¥3,660(税込)。

2つ折り加工と切込加工は自分で行いました。

包装して完成!

最後にカードを台紙にセットし、OPP袋で包装すれば完成です。サイズは台紙よりもやや大きめのものを選んでください。今回は125×125mmを使用しました(¥635)。

なお、紙製カードはキズがつきやすいと思ったので、念のためスリーブで保護してからセットしました。

まとめ

今回、100枚のダウンロードカードを制作するのにかかった費用は合計¥11,510(税込)でした。

SONOCAやconcaはカードを作るだけでも約1.5万円かかりますから、台紙や包装を含めてこの結果はかなり頑張ったと思います(笑)。

多少の手間はかかりますが、ぜひ参考にしてみてくださいm(__)m

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