3Dioのバイノーラルマイク3機種の違いを徹底比較!(Free Space/Free Space XLR/Free Space Pro II)

バイノーラル録音とは、人間の耳で聴いているような立体的な音を左右2つのマイクによって再現できる録音方法です。左右の耳の位置にマイクを配置して音を収録することで、ヘッドホンで再生した際に、まるでその場にいるかのようなリアルな音の広がりや距離感を体験できます。

この技術は、ASMR(自律感覚絶頂反応)コンテンツの制作をはじめ、フィールドレコーディング(環境音の収録)、VR・3Dオーディオ、音楽制作、映画・ゲームのサウンドデザインなど、さまざまな分野で活用されています。特に、ASMR動画やポッドキャストでは、リスナーに没入感を与える重要な要素となっています。

3Dioはバイノーラルマイクの分野で広く知られるブランドであり、特に「Free Space」シリーズは、手軽なエントリーモデルからプロフェッショナル仕様の高音質モデルまで、用途に応じた幅広いラインナップを提供しています。

この記事では、3Dioのバイノーラルマイク「Free Space」「Free Space XLR」「Free Space Pro II」の3機種を比較し、それぞれの特徴や用途、どんなユーザーに適しているのかを解説します!

目次

3Dio Free Spaceシリーズ 比較表

Free SpaceFS XLRFS ProⅡKU100
価格約8万約16万約33万約135万
接続3.5mmXLR×2
電源9V電池48Vファンタム
カプセルEM172DPA4060KK83
S/N比80dB71dB78dB
周波数範囲60Hz-20kHz20Hz-20kHz
重量680g755g3.5kg
FreeSpace3機種 VS KU100

3Dioのバイノーラルマイクは、すべて共通して「人間の耳の形を模したマイク構造」を持っています。この構造により、左右の耳に届く音の微妙な差異(時間差や音の減衰)を再現し、リアルで臨場感のある音を録音できます。

  • リアルなバイノーラル録音:左右のマイクで立体感のあるサウンドを再現
  • ダミーヘッド型のデザイン:音の反射や回り込みもリアルにキャプチャ
  • ハンズフリー録音が可能:固定設置して環境音やASMR録音に最適

上の表では、バイノーラルマイク(ダミーヘッドマイク)の最高峰として知られるNEUMANNの「KU100」と3Dioシリーズをさまざまな角度から比較しています。

① Free Space

引用:3Dio公式サイト

「Free Space」は、3Dioのバイノーラルマイクの中でももっとも手軽に扱えるエントリーモデルです。3.5mmステレオミニジャックで接続できるため、オーディオインターフェイスが不要で、ビデオカメラやハンディレコーダーに直接つないで録音できます。

また、9V電池で駆動するため、持ち運びがしやすく屋外での録音にも適しています。ただし、XLR接続には対応しておらず(フォン接続は可)、音質面でも上位モデルには及びません。そのため、手軽にバイノーラル録音を始めたい初心者や、ASMR動画を制作する入門者に最適なモデルといえるでしょう。

付属のテレオミニ→フォン端子変換ケーブルを使用すればオーディオインターフェイスでも使用可(YouTube)

メリット
✅ オーディオインターフェイス不要
✅ 電池駆動なので持ち運べる
✅ シリーズの中でもっとも安価

メリット
❌ 音質は上位モデルより劣る
❌ XLR接続不可

② Free Space XLR

引用:3Dio公式サイト

「Free Space XLR」は、XLR端子によるバランス接続に対応し、48Vファンタム電源を使用することで、ノイズの少ない高音質な録音が可能なモデルです。外部オーディオインターフェイスと組み合わせることで、よりプロ仕様のバイノーラル録音ができます。

ただし、使用されているマイクカプセルは下位の「Free Space」と同じ「EM172」であるため、収音可能な周波数範囲は変わりません(60Hz-20kHz)。また、48Vファンタム電源が必要なため、それに対応した機材を揃える必要があり、初心者にはややハードルが高いモデルといえるでしょう。

メリット
✅ XLR接続による低ノイズ録音
✅ オーディオインターフェイスと組み合わせ可能

デメリット
❌ 48Vファンタム電源必須
❌ 下位モデルと同じマイクカプセル

③ Free Space Pro II

引用:3Dio公式サイト

「Free Space Pro II」(通称:黒耳)は、3Dioの中でも最上位に位置するプロフェッショナル向けのバイノーラルマイクです。XLR端子によるバランス接続に対応しており、スタジオ環境での録音に適しています。高感度のコンデンサーマイクカプセル「DPA4060」を搭載し、幅広い周波数範囲(20Hz-20kHz)とダイナミックレンジを実現しており、商業作品制作に最適です。

価格は33万円以上と高価ですが、そのスペックはバイノーラルマイクの最高峰(135万円)である「KU100」に匹敵します。マイク性能を十分に生かすためには、吸音処理が施された専用のスタジオでの録音が理想的です。

メリット
✅ 最高品質のバイノーラル録音が可能
✅ ノイズが少なく、細かい音まで収録可能

デメリット
❌ シリーズの中でもっとも高価
❌ スタジオ環境が必要

まとめ

3Dioのバイノーラルマイク「Free Space」「Free Space XLR」「Free Space Pro II」の3機種を比較し、それぞれの特徴や用途、どんなユーザーに適しているのかを解説しました!

ぜひ参考にしてみてくださいm(__)m

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