釣りじゃない!「Synthesizer V AI 重音テト」発売決定!

4/3(月)、株式会社AHSからSynthesizerV専用歌声データベース「Synthesizer V AI 重音テト」が発表されました。

重音テトはもともと、エイプリルフールのジョークとして、匿名掲示板2ちゃんねるの住人たちによって生み出された架空のキャラクター。それが製品化されるということで、SNS上ではかつてない盛り上がりを見せています。

この記事では、重音テトの歴史を簡単にふり返りつつ、今度発売される「Synthesizer V AI 重音テト」の概要についてまとめていきたいと思います!

目次

重音テトとは?

重音テト(かさね・てと)とは、有志がインターネット上で意見や素材を出し合い制作された、声となる音声素材集(音声ライブラリー)を持つ、実際に歌うことのできるキャラクターです。

重音テトは2008年3月に匿名掲示板2ちゃんねる内にある『ニュー速VIP板』で有志の手によりエイプリルフールのジョークとして制作され『架空のVOCALOID(ボーカロイド)』として動画投稿サイトであるニコニコ動画にデビューしました。

その後、歌声合成ツール『UTAU』との出会いにより独自の音声素材が作成され、VOCALOIDと同じように歌うことのできるバーチャルシンガーとして歩み始めることとなりました。
現在では多くのファンの手によって、重音テトのイラストや楽曲、動画など様々な作品が日々生み出されています。

https://kasaneteto.jp/about/

冒頭でも述べたように、重音テトはエイプリルフールのジョークとして、生み出された架空のキャラクター。誕生の経緯については、この動画が分かりやすいかと思います。

重音テト誕生の経緯

2008年3月30日(日)未明、「架空のボーカロイド作ってニコ厨つろうぜww」というタイトルのスレッドが立てられました。このスレは、アンカー(レス番)指定によって内容を決めていく、いわゆる「安価スレ」です。

身長や体重をはじめ、すべてのプロフィールがふざけたノリで決められていく様子がうかがえます。

▼完成したプロフィール

・髪の色 赤褐色
・髪型 ドリルみたいなツインテ
・身長 159.5cm
・体重 47kg
・目の色 鮮血のような赤
・バスト 73cm
・ウエスト 54cm
・ヒップ 88cm
・服装 軍服
・目の形  楕円(垂れ目)
・年齢 31
・名前 テトペッテンソン
・好きなもの フランスパン
・性別 キメラ
・嫌いなもの DMC
・中の人 大山のぶ代
・性格 ツンデレ
・得意な事 レンタルDVDの延長
・苦手な事 歌
・好きな国 ノルウェー
・キャッチコピー どんなマイクも握ります
・持ち物 フランスパン
・決めゼリフ 君はじつに馬鹿だな

引用:https://img.atwiki.jp/voc0vip/attach/1/1/1sure.html >>503

この時点で、エイプリルフールまで残り2日という状況であったにもかかわらず、多くの賛同者の手によって公式サイトや投稿動画などが制作され、無事当日を迎えられたようです。

重音テトUTAU化

その後、開発が始まったばかりの歌声合成ソフト「UTAU」を使って重音テトの音声ライブラリを制作する計画が持ち上がりました。

4月6日、UTAUによって歌声を与えられた重音テトによる最初の動画「【釣りじゃなくて】重音テトで鳥の詩【ホントだよ】」が投稿される。

「おちゃめ機能」や「耳のあるロボットの唄」など、数多くの重音テトオリジナル曲が制作され、重音テトは人気キャラクターの一人となっていきました。

Synthesizer V AIとは?

「Synthesizer V AI」の元となっている「Synthesizer V」は、Kanru Hua氏が開発し2018年に公開された歌声合成ソフト。この登場により、それまでVOCALOID一強であった歌声合成界に一石が投じられました。

翌年、Kanru Hua氏は「Dreamtonics」という会社を日本で立ち上げ本格的な開発に着手。2020年、ディープニューラルネットワークを搭載した歌声合成技術「Synthesizer V AI」を発表。人間に近いそのリアルな歌声は大きな反響を呼びました。

「Synthesizer V AI」は、DreamtonicsのDNN(ディープニューラルネットワーク)を搭載した歌声合成技術です。

「Synthesizer V AI」で生成された歌声は、まるで人間が歌っているかのような自然さがあり、どんな音楽スタイルで歌わせても細かな部分まで本物の歌手のように歌わせることができます。
また、標準的なデバイスにも最適化されており、動作のために特別なハードウェアは必要ありません。

編集時には2つのオプションが用意されています。高品質モードでは、フルサイズのディープニューラルネットワークを使用し、技術の可能性を極限まで追求します。高速モードでは、ダウンサイズされたモデルを使用し、レンダリングが加速されます。

https://www.ah-soft.com/synth-v/teto/

また、「Dreamtonics」は独自開発している「Saki」や「Kevin」などのライブラリとは別に、VOICEROIDの「結月ゆかり」「紲星あかり」などのメーカーとして知られる「株式会社AHS」と提携した「Synthesizer V AI」対応ライブラリの開発も行ってきました。このシリーズに重音テトは加わることになります。

Synthesizer V AI 重音テト

https://www.ah-soft.com/synth-v/teto/

エイプリルフールのジョークキャラクターとして生み出された重音テト。それから15年、最新のAI技術を使用して開発されたまったく新しい音声データベース「Synthesizer V AI 重音テト」として生まれ変わります!

発売日は4月27日(木)で、パッケージ版価格は¥10,780(税込)、AHSユーザー特別版は¥8,580(税込)。ダウンロード版は¥9,680(税込)。

公式デモソング

収録されているボーカルスタイルは、「Joyful 」「Cute」「Power」「Mellow」の4種類。子供っぽさの残るかわいらしい声質はそのままに、ポップな曲調からダークな曲調まで幅広いジャンルをカバー。

付属ソフトウェア

また、「Synthesizer V AI 重音テト」には、歌声合成ソフトウェア「Synthesizer V Studio Basic」が付属しているため、別途エディタを購入することなく使用可能

ただし、「Synthesizer V AI」の機能を余すことなく使うためには、別売の「Synthesizer V Studio Pro」が必要!

https://www.ah-soft.com/synth-v/teto/

まとめ

重音テトの歴史と、「Synthesizer V AI 重音テト」についての記事でした!

4月27日(木)の発売が楽しみですね!

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