VOCALOIDの進歩

みなさんは調声にどのくらい時間をかけていますか?実は私、ボカロエディタ上での調声をまったくしていません!VOCALOIDが発売されたばかりの頃は一音一音細かくエディットしてあげないとうまく歌ってくれませんでしたよね。思い返すと当時はかなり調声に時間をとられていたように思います。しかし、Append以降(2010年~)のVOCALOIDは、メロディに歌詞を入力しただけの状態(いわゆるベタ打ち)でも、かなりスムーズに歌ってくれるようになりました。それから10年経っていますので、今のライブラリはさらに調声が楽になっているでしょう。
コンプレッサーを使えば調声は一瞬で終わる
とはいえ、ベタ打ちのままのデータを曲に使うことはできません。ではどうすればよいのでしょう。ズバリ、大きすぎる音を小さくして全体の音量を揃える。たったこれだけです。
ここでは実際にベタ打ちで作った「ノイズキャンセラー」のボーカルデータを例に説明します。この工程に必要なのは「コンプレッサー」と呼ばれるエフェクトです。これを使うことによって、ボカロエディタでやっていたダイナミクスを書く作業が一瞬で終わります。

この工程はDAW上で行います。まず上の青いトラックを見てください。こちらはコンプをかける前、つまりベタ打ちの波形です。この時点でまあまあ揃っていますが、若干のバラつきが見られますよね。そして下の赤いトラックはコンプをかけた後の波形です。丸で囲った部分の音量が圧縮されているのが分かります。
実際に聴き比べてみましょう。前半がベタ打ち、後半がコンプ後です。どうでしょうか。均一な音量の聴きやすい歌声になっていると思いませんか?
コンプレッサーの具体的な設定や使い方については、長くなるので後日別の記事で解説します。ともかく、たったこれだけで調声作業は完了するのです!
バラード等では注意
例のような、オケがにぎやかな曲はガッツリ潰しても大丈夫です。しかし、曲調によっては控えなければいけないケースがあります。それはオケが静かな曲、つまりバラード等です。そういった曲でこれをやってしまうと、ボーカルの抑揚のなさが不自然さにつながります。コンプの潰し具合は曲に合わせて設定をしましょう。
打ち込みとミックスに時間をかける
調声にかける時間が減った分余裕が生まれます。打ち込みやミックスのクオリティを高めるために使っていきましょう。
まとめ
・コンプをかけるだけで調声は終わる
・コンプのかけ具合は曲調に合わせて変える
・他のことに時間が使える
いかがだったでしょうか?興味を持たれた方はぜひ試してみてくださいね。
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